「酒さって完治するの?」
この疑問を、私は何度も検索しました。
医師から「完治は難しい病気です」と告げられたとき、目の前が真っ暗になったのを覚えています。
赤みやブツブツが顔に出ることで、毎日の生活や人間関係にまで影響が出る――それが“酒さ”という病気。
人に知られにくく、理解されにくいこの症状と向き合う中で、私は少しずつ「治すことだけがゴールじゃない」と思えるようになっていきました。
この記事では、酒さと診断された私が、スキンケア・食事・栄養面からアプローチしながら、どのように肌と心を整えてきたかを綴っています。
同じように悩んでいる方が、「あ、自分だけじゃないんだ」と少しでも気持ちが軽くなったら嬉しいです。
「酒さは完治しない」と言われた日
「酒さは完治が難しい病気です。」
医師からそう告げられた瞬間、私は現実をすぐに受け入れることができませんでした。
人前に出る仕事をしている私にとって、顔に症状が出ることは想像以上に大きなストレス。鏡に映る真っ赤な頬を見るたびに、「この顔で仕事に行くのか……」という不安と、「家族にさえ見せるのがつらい」という気持ちが重なり、心が折れそうになっていました。
実際、仕事で会う人たちからは「どうしたの?顔赤いよ?」と心配されることも。しかし“酒さ”という病名そのものがあまり知られていないため、「それってお酒の飲みすぎ?」と誤解されたり、症状をうまく説明できなかったりと、理解されにくいことがさらに私を苦しめました。
つらかったのは、肌の状態だけではなく、「誰にもわかってもらえない」という孤独感だったのです。
「否定」ではなく「向き合う」という選択
「完治」という言葉には、“完全に治り元の状態に戻る”という意味があります。でも今の私は、「肌の状態を気にせず堂々といられること」が、本当のゴールなのではないかと思っています。
酒さは体質によって出やすい症状だとも言われます。ならば、自分の体と丁寧に向き合い、状態が良くなるように工夫するしかない。そう思うようになりました。
酒さによる赤みやブツブツ(丘疹)は、見た目に大きく影響します。特に丘疹はメイクで隠すことができません。赤みも厚塗りで隠そうとすれば、かえって肌に負担がかかる悪循環に。
私はまず、ブツブツをなくすこと。そして、赤みを少しでも減らすことを目指しました。
皮膚科に1年8カ月ほど通いましたが、処方薬を使っても症状は改善せず、むしろ悪化。そんな状況の中、「薬ではない方法を試してみよう」と決意し、スキンケアと食事を見直し始めたのです。
現在の肌の状態と心の変化
今の私は、ノーメイクで外出することができるようになりました。
もともと赤みが強く出やすい肌質でしたが、現在はうっすら赤みが出る日もあれば、ほとんど気にならない日もあります。ブツブツはなくなり、肌の表面がなめらかになってきたことで、鏡を見て落ち込むことがなくなりました。
「堂々としていられること」
「鏡を見ても落ち込まないこと」
「肌を隠さずにいられること」
これらは、以前の私では想像できなかった“心の変化”です。
症状が落ち着くまでに私が取り組んだ3つのこと
酒さの症状が安定するまでに、私が特に大切にしてきたのは以下の3つです。
① 「しないスキンケア」で肌本来の力を取り戻す
私が実践したのは、あえて“何もしない”スキンケア。
- ノーメイク
- お湯だけで洗顔
- 化粧水も日焼け止めも使わない
最初はとても不安でしたが、余計な刺激を与えないことで、肌が本来持っている「潤う力」を取り戻す感覚が少しずつわかるようになりました。結果として、赤みやブツブツが落ち着いていったのです。
② ナチュラルな食生活を心がける
私にとって食生活の見直しは、肌改善に欠かせない要素でした。
避けるようにしたもの:
- 牛乳などの乳製品
- 精白された小麦や砂糖
- 人工甘味料、加工食品、食品添加物
「何を食べるか」以上に、「何を避けるか」が私には大切でした。なるべく素材そのままの自然な食事を意識しています。
③ 不足しがちな栄養素を積極的にとる
日本人に不足しやすいとされる栄養素を、食材やサプリで意識的に摂るようになりました。
- マグネシウム
- 亜鉛
- ビタミンD
これらを取り入れることで、肌の調子だけでなく体全体のバランスが整ってきたように感じています。
※詳しいスキンケア・食事内容は別記事でご紹介しています。
「今がいちばんラク」と思えるようになった理由
酒さと向き合ってきた中で、私にとって一番の変化は「心の在り方」でした。
肌にかけていた時間とお金を手放してみたら…
以前の私は、
化粧水 → 乳液 → オイル → 下地 → ファンデーション
といった“フル装備”が日常で、クレンジングや保湿にも時間とお金をかけていました。
でも今は、ノー化粧水・ノーメイクでも大丈夫。
時間やお金に余裕ができたことはもちろん、「飾らない自分でいられる心地よさ」を感じられるようになりました。
素の自分でいられることが一番心地よい
- 人前でも無理に化粧をしなくていい
- 旅行の荷物も最小限
- 汗をかいてもそのまま洗顔OK
そして、「今日はどんな肌かな?」と自分の体に目を向ける習慣がつきました。
以前は、一年中同じスキンケアを繰り返していましたが、今は季節や体調に応じて、ケアの必要性すら変化するのだと気づくようになりました。
「引き立てるため」のメイクを楽しめるように
もちろん、ここぞという日はおしゃれもします。でもそれは、「肌を隠すため」ではなく「引き立てるため」のメイク。
健康な肌があってこそ、ナチュラルなメイクが映える。
日常はラクに、特別な日は楽しんで。
そんなバランスが、今の私にはちょうど良いのです。
「治すこと」だけがゴールじゃない ─ 心と肌がラクになる生き方を
酒さになったばかりの頃、私は「早く治したい」とそればかりを考えていました。
でも、体質や肌質と向き合っていく中で気づいたのは、“治すこと”だけがゴールじゃないということ。
私たちは、完璧な肌じゃなければ生きていけないわけではありません。
赤みがあっても、ブツブツが出ていても、それが今の自分。
そこに焦りや恥ずかしさを抱えるのではなく、受け入れることから始まる“本当のケア”があると思っています。
あなたの「今」が、少しでもラクになりますように
肌に良いことをしようと頑張るあまり、知らず知らずのうちに心が疲れていませんか?
私は、「何もしない勇気」を持ってから、肌も心もラクになりました。
焦らず、比べず、自分と向き合う暮らし。
それが、肌の穏やかさにもつながっていくのだと、今では実感しています。
完治しなくてもいい。隠さなくてもいい。
「今の自分でいい」と思える毎日が、いちばん自由で、いちばん心地いい。
このブログを通して、「自分だけじゃないんだ」と感じていただけたら、心から嬉しく思います。
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