栄養を勉強するほど、足りないものを補おうとサプリに頼りたくなります。
でも本当に大切なのは、栄養素ひとつひとつではなく「バランス」でした。
日本人が栄養不足になりやすい理由と、摂りすぎのリスクについてお伝えします。
Q:栄養が足りているか心配で、サプリに頼りすぎているかもしれません
Q:日本人はどうして栄養が不足しやすいの?
Q:サプリメントは摂りすぎても大丈夫?
A:
サプリメントは「足りない分を補う」程度に留め、基本は「まごはやさしい」食材からバランスよく栄養を摂ることが大切です。日本人は食生活の変化や精製食品・加工食品の影響で栄養不足になりやすく、逆に一部の栄養素は摂りすぎによる弊害も指摘されています。この記事では、その理由と私自身の気づきを詳しくお伝えします。
栄養を学ぶほど焦ってしまった|「サプリだけでは栄養バランスは整わない」と気づいた話
栄養について勉強し始めた頃、自分が知っている栄養素は、ほんの一部に過ぎないということが分かりました。
様々な栄養素が、体の様々な場所で働いています。
細かい栄養素を知れば知るほど、「あれもこれも摂らなければ」「私はこれも足りていないのでは」と、気持ちが焦ってしまったことがありました。
いざ、iHerb(アイハーブ)でサプリをカートに入れようとしたら、あっという間に金額がオーバーしてエラーになったのです。
日本では、個人輸入の小計が16,000円を超えると税関の規制にかかってしまいます。
ハッと我に返り、金額的にもかさむし、こんなにたくさん飲むことになるのかと気づき、思いとどまりました。
さらに、まだ発見されていない栄養素や、解明されていない相乗効果があるかもしれない、ということにも気づきました。
サプリばかりに頼っても、解決にはならないと感じたのです。
それならば、食事から摂ればいいだけなのではないか。
人は食べたものでできていて、地球の恵みをいただいて生きています。
食材を最大限生かす方向にシフトした方が、体にもお財布にも優しいと、私は思っています。
なぜ日本人は栄養不足になりやすいのか|精製食品・加工食品と男女別の不足栄養素
栄養のバランスが崩れた一番の理由は、食生活の変化だと思っています。
和食から洋食になり、動物性食品を食べる機会が増えました。
日本人は、もともと農耕民族として穀物・野菜・魚を中心に食べてきたため、欧米人に比べて胃酸の分泌が少なく、消化に時間がかかる体質だといわれています。
日本人が和食で作ってきた体は、和食に合うようにできているのだと思うのです。
また、精製されたものばかり食べていることにも、栄養不足の原因があると感じています。
たとえばお米。
玄米で食べると、栄養豊富な「ぬか」も一緒に摂取できます。
江戸時代、白米食が広まったことで「脚気(かっけ)」というビタミンB1不足の病気が大流行しました。
白米のビタミンB1は100gあたり約0.1mgですが、玄米は約0.5mg、米ぬかは2.5mgも含まれています。
精米することで、栄養がどれだけ失われてしまうかが分かります。
加工食品も、栄養不足を促していると感じています。
添加物の分解のために、貴重な栄養素が使われているともいわれます。
さらに、加工食品に使われる「無機リン(食品添加物として使われるリン酸塩)」は吸収率が90〜100%と非常に高く、過剰に摂取すると腎臓に負担をかけることが分かっています。
日本人には腎臓病や、その予備軍となる方が非常に多いことも分かっています。
亜鉛も、精製された穀類や加工食品では含有量が低くなることが分かっており、こうした食品を日常的に食べている人ほど不足しやすいといわれています。
厚生労働省の調査でも、不足しがちな栄養素には男女差があることが分かっています。
・男性で不足しやすい:マグネシウム、亜鉛、ビタミンB1・B2、食物繊維
・女性で不足しやすい:鉄、カルシウム、マグネシウム
・男女共通で不足しやすい:ビタミンD、マグネシウム
特に鉄とカルシウムは、私はサプリメントで摂るのはおすすめしていません。
鉄を摂りすぎると、活性酸素(体を酸化させる物質)を増やし、炎症につながる可能性があるためです。
カルシウムも、サプリメントでの摂取は血管が硬くなる「石灰化」に関わり、心疾患のリスクを高める可能性が指摘されています。
どちらも、食事から摂る分には心配のないことが分かっているので、不足しがちな分は「まごはやさしい」の食材から摂るのがおすすめです。
こうした理由から、私が過去にシリーズで取り上げた栄養素は、あえて「よく知られているもの」だけに絞りました。
細かい栄養素を、限定的な働きとして取り上げすぎると、「あれも摂らなければ」と思わせてしまうからです。
それよりも私は、バランスを重視し、まだ解明されていない栄養素も含めて、食材ごと取り込む方が大事だと考えています。
▼ これまでの栄養シリーズはこちら
酒さに関わる栄養素まとめ|ビタミン・ミネラルを振り返る
鉄・オメガ3の摂りすぎに注意|サプリメントで知っておきたい「過剰のリスク」
栄養について学ぶ中で、特に印象に残ったのが「過剰摂取」についてです。
近年、うつ症状と鉄欠乏の関連が指摘されるようになり、鉄をサプリメントで摂取する方も増えました。
しかし、自己判断での鉄の摂取は注意が必要だということは、あまり知られていないように感じます。
過剰な鉄は、酸化ストレス(活性酸素による体への負担)を介して、炎症に関わる可能性があるとされています。
栄養精神医学の第一人者である奥平智之先生によると、精神科の治療において、鉄を見直すところから始めるケースもあるそうです。
また、オメガ3についても、最近の研究で新たなことが分かってきています。
1日1,500mgを超えるような高用量のオメガ3摂取は、一部の方では認知機能の低下をむしろ早める可能性があると報告されているのです。
今まで体に良いといわれていた栄養素も、サプリメントで高用量を体に入れることが、長期的にどのような影響を及ぼすのか、まだはっきり分かっていないものもあります。
そう考えると、サプリメントで大量に栄養を摂り込むのは、少し怖いと感じています。
何ごともバランスです。
少なくても、多すぎても良くないのだと思います。
結論は「まごはやさしい」食事|サプリは「足りない分だけ」補うのが正解
ここまでお伝えしてきたことをまとめると、行き着く答えは「まごはやさしい」食事でした。
「まごはやさしい」とは、豆・ごま・わかめ(海藻)・野菜・魚・しいたけ(きのこ類)・いも、という、和食に古くからある食材の頭文字を取った言葉です。
特定の栄養素だけを意識するのではなく、こうした幅広い食材を組み合わせて食べることで、自然とバランスが整っていくと感じています。
サプリメントが不要だとは思いません。
ただ、サプリメントは「足りない分だけ」を補う、あくまで補助的な存在だと考えるようにしています。
精製されたものは栄養が落ちているという事実、加工食品はせっかくの栄養をかえって奪っているかもしれないということも、知っておいて損はないと思います。
私自身がサプリメントで摂っているものも、「不足を補うもの」と「目的があって選ぶもの」の2種類に分けています。
不足を補う目的では、亜鉛とビタミンD3&K2は欠かさず摂り、ビタミンB群は様子を見ながら摂るようにしています。
一方で、日焼け対策のアスタキサンチン(抗酸化作用のある赤い色素成分)や、美肌を目的としたビタミンCは、欠乏を補うためというより、目的があって選んで摂っているサプリメントです。
こんなふうに「足りないから摂る」と「目的があって摂る」を分けて考えると、サプリメントとの付き合い方がシンプルになると感じています。
私自身は、難しいことは考えず、味噌汁にわかめや豆腐を入れる、白米に雑穀を混ぜる、魚の日を週に何度か作る、といった小さな工夫から始めました。
完璧を目指さなくても、いつもの食事に「まごはやさしい」の食材をひとつ加えるだけで、少しずつバランスが整っていきます。
特別な食材を揃える必要はなく、近所のスーパーにあるもので十分です。
まとめ|栄養バランスの整え方は、まずは食事の見直しから
今日お伝えしたことを整理します。
・栄養を細かく知るほど焦りやすいが、サプリだけでは解決にならない
・和食から洋食への変化、精製食品、加工食品が、日本人の栄養不足の背景にある
・鉄やオメガ3のように、摂りすぎがリスクになる栄養素もある
・行き着く答えは「まごはやさしい」、バランスの良い食事
・サプリメントは「足りない分だけ」を補う存在として使う
まずは、サプリメントを増やすことよりも、食事を見直すことから始めてみませんか。
あなたも、まごはやさしいを意識した食事を、ひとつ取り入れてみてください。
小さな積み重ねが、いずれ体の調子を整える大きな力になっていくはずです。
▼ 栄養シリーズはこちらからまとめて読めます
酒さに関わる栄養素まとめ|ビタミン・ミネラルを振り返る
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