酒さの症状はまさに「炎症」です。
だとしたら、食べ物から炎症を起こしているものを見直すことが大切——。
栄養を学ぶ中でそう気づき、私がたどり着いたのが「油のバランスを整える」ことでした。
Q:オメガ3って、酒さの炎症に関係あるの?
Q:オメガ3を摂るには、何を食べればいいの?
Q:亜麻仁油やエゴマ油、どう選んで使えばいい?
A:
オメガ3脂肪酸には炎症を鎮める働きがあり、オメガ6とのバランスが崩れると体の炎症が起きやすくなります。まず大切なのはオメガ6を減らすこと。そのうえで、青魚やエゴマ油を上手に取り入れることが、酒さ改善につながる食卓の見直しの第一歩になります。
酒さは「炎症」——油のバランスを見直すきっかけ
酒さとは、顔に赤みや炎症が起きやすくなる皮膚の状態です。
「炎症」が起きやすい体になっているなら、食べ物の中に炎症を促しているものがあるのではないか——。
そう考えながら栄養を学んでいくうちに、目が向いたのが「油」でした。
油の種類には、大きく「オメガ6脂肪酸」と「オメガ3脂肪酸」があります。
ざっくり言うと、オメガ6は体内で炎症を起こす方向に働き、オメガ3は炎症を鎮める方向に働きます。
この2つのバランスが崩れると、体の中で炎症が起きやすくなるのです。
旧石器時代、人類はオメガ6とオメガ3をほぼ1:1の割合で摂っていたとされています。
ところが現代では、その比率が10〜25:1にまで偏ってしまっているという研究データがあります。
これだけのアンバランスが、慢性的な炎症の下地になっている可能性があるのです。
以前のブログ記事でもこの話題を取り上げていますが、改めて自分の食生活を振り返ったとき、ハッとしました。
私の食卓は、オメガ6だらけだったのです。
▼ 油の種類と見直し方についてはこちら
炎症体質にサヨナラ! “あぶら”を変えれば体も変わる!オメガ6・オメガ3バランスを整えよう
気づかないうちに、オメガ6を摂りすぎていた
以前の私の食生活を振り返ると、こんな状態でした。
・おかずは肉が中心
・炒め物にはサラダ油
・サラダにはドレッシングをたっぷりかける
これらにはオメガ6系の脂肪酸が多く含まれています。
サラダ油という名前からヘルシーな印象を抱いていましたが、オメガ6系だと知ったときは衝撃でした。
特にサラダ油については、製造方法も気になるようになりました。
安価な食用油の多くは「溶剤抽出法」という方法で作られており、ヘキサンという石油由来の化学溶剤を使って効率よく油を抽出しています。
「安いから」という理由で選んでいた油が、炎症の一因になっているかもしれないと知り、見直すきっかけになりました。
まず大切なのは「オメガ6を減らす」こと
オメガ3を意識するとき、つい「オメガ3をたくさん摂ればいい」と思いがちです。
でも、一番大切なのはそこではありません。
まずはオメガ6を減らすこと。
これが最初のステップです。
オメガ6を減らさないまま、オメガ3だけを増やしても、バランスは整いません。
食生活を変えずにサプリだけ追加するという方法では、根本的な見直しにはならないのです。
私がまず取り組んだのは、こんなことでした。
・サラダ油をオリーブオイル(オメガ9)に変える
・ドレッシングをノンオイルのものに変える、手作りマヨにする
・「まごわやさしい」を意識した食卓に切り替える
▼ まごわやさしいの食材についてはこちら
「マゴワヤサシイ」食事で健康的に!簡単に続けられる方法も紹介!
オリーブオイル(オメガ9)を選んだのには理由があります。
オメガ9(一価不飽和脂肪酸)は、オメガ6のように炎症を促す方向にも、オメガ3のように鎮める方向にも大きく働かず、炎症に対してほぼ中性と言われています。
また、熱にも比較的強いため、炒め物などの加熱調理に使いやすいのも助かります。
「オメガ6を減らす代わりに何を使えばいいの?」という疑問には、オリーブオイルが一つの答えになります。
「何かを加える」より「何かを減らす」ことが、体のバランスを整えるうえで先決だと実感しています。
オメガ3の摂り方——魚が一番、難しければエゴマ油で
オメガ6を減らしたうえで、次にオメガ3を意識して取り入れていきます。
青魚(さば・いわし・さんま・あじなど)にはオメガ3が豊富に含まれており、体内での利用効率も高いのが特徴です。
本来は、魚をしっかり食べることが一番の方法だと感じています。
ただ、毎日青魚を用意するのは、正直なかなか難しいのが現実です。
わが家では魚を出すとあからさまにがっかりされます(笑)。
お刺身なら喜ぶのでスーパーのお刺身コーナーを覗くようにしていますが、値が張るので毎日とはいきません。
サバ缶は買い置きできて便利ですが、これも最近は価格が上がってきました。
青魚を増やすことは、今も課題のひとつです。
そこで私がメインで取り入れているのが「エゴマ油」です。
エゴマ油にはα-リノレン酸(オメガ3)が豊富に含まれています。
「魚の代わり」ではなく、「魚を食べられないときの補完」という位置づけで使っています。
同じオメガ3系の油として「亜麻仁油」もよく知られています。
エゴマ油と亜麻仁油はどちらもα-リノレン酸が主成分で、働きはほぼ同じです。
主な違いは「味」。
亜麻仁油は独特の風味があり、苦手に感じる方もいます。
私もどちらかといえばエゴマ油の方が使いやすいと感じています。
味の好みで選んで問題ないので、まずは飲みやすい方から試してみてください。
私の取り入れ方は、朝晩のお味噌汁にエゴマ油をティースプーン1杯加えるだけ。
お味噌汁にはなんでも入れてしまう派なので(笑)、これが一番無理なく続けられる方法です。
油の「選び方」が、何より大切
スーパーに行くと、エゴマ油や亜麻仁油の種類がずいぶん増えました。
手軽に買えるようになった一方、低価格帯の商品も登場し、「どれを選ぶか」がますます重要になっています。
私が油を選ぶときに必ずチェックするのは、次の2点です。
・低温圧搾(コールドプレス)であること
熱をかけずに圧力だけで搾ることで、油の栄養成分を壊さずに取り出せます。
高温で処理された油は酸化しやすく、体にとっても不利になることがあります。
・遮光ビン、または遮光箱入りであること
オメガ3系の油は光・熱・酸素に弱く、酸化しやすい性質があります。
透明ビンに入っているものは光で酸化が進みやすいため、遮光されているものを選ぶのが基本です。
また、酸化しやすいという性質上、まとめ買いはしないようにしています。
開封後は冷蔵庫で保存し、なるべく早めに使い切るのがおすすめです。
なお、オメガ3系の油は加熱調理には向きません。
酸化した油は、それ自体が体内の炎症を引き起こす原因になることがあります。
せっかく良い油を選んでも、加熱してしまうと逆効果になってしまうのです。
お味噌汁に加えるなら、椀によそってから仕上げに入れるようにしています。
サラダのドレッシング代わりに使うのもおすすめです。
肌は腸を映す鏡——油と腸内環境のつながり
油のバランスを整えることは、腸内環境にもつながっていると感じています。
「肌は腸を映す鏡」という言葉があります。
腸と肌が双方向に影響し合うことを「腸皮膚相関(gut-skin axis)」と呼び、近年の研究でもその関係が注目されています。
酒さをはじめとする炎症性皮膚疾患は、腸内環境の乱れとの関連が研究で示されています。
オメガ6の過剰摂取は腸内の炎症にもつながります。
オメガ6を減らして、オメガ3をしっかり補うことで腸の炎症が落ち着き、それが肌にも反映されていく——。
私はそんなイメージを持ちながら、日々の食事を整えています。
実際に、オメガ3を意識するようになってから(他の食生活の見直しも合わせてですが)、真っ赤に炎症していた肌はゆっくりきれいになっていきました。
即効性はなく、続けていくうちに「あれ、最近あまり赤くないかも」と気づく感じです。
今ではノーメイクで過ごせるほど、肌の状態が落ち着いています。
サプリで補えばいい?——食べ物から摂ることを大切にしたい理由
「サプリメントでオメガ3を手軽に補えばいいのでは?」という考え方もあります。
でも、私はサプリを摂っていません。
近年、高用量のオメガ3サプリメントが認知機能に影響する可能性があるという研究報告も出てきています(2025年の系統的レビューでは、1日1,500mg以上の高用量摂取では認知機能への利点が逆転する場合があるとの報告があります)。
体が想定する以上の量を、集中して摂ることのリスクは、まだわかっていないことが多いのです。
エゴマ油も、人の手が加わって作られたものです。
本来は魚からオメガ3を摂れれば、わざわざ油を追加しなくていい——それが理想です。
油はあくまで「魚が難しいときの補完」と考え、できれば食べ物から摂ることを優先してほしいと思っています。
「何が合うか」は人それぞれです。
まずは自分の食卓を見直してみて、何がオメガ6に偏っているか気づくことから始めてみてください。
まとめ
今日お伝えしたことを整理します。
・酒さは炎症。油のバランスを見直すことが、食事面での大切な一歩
・旧石器時代は1:1だったオメガ6とオメガ3の比率が、現代では10〜25:1に偏っている
・まずはオメガ6(サラダ油・ドレッシングなど)を減らすことが最優先
・オメガ3は青魚が理想。難しければエゴマ油をお味噌汁などに少量加えて補う
・油の選び方は「低温圧搾」「遮光ビン(または遮光箱)」が基本。加熱調理には使わない
・腸皮膚相関(gut-skin axis)の観点からも、油のバランスを整えることは腸と肌の両方に関係している
・サプリより食べ物から摂ることを優先する。高用量サプリには注意が必要という研究もある
体の炎症を食事から減らすことは、一朝一夕にはいきません。
でも、毎日使う油を一つ変えるだけでも、食卓は少しずつ変わっていきます。
まず「何を減らせるか」から、一緒に考えてみましょう。
▼ 栄養全体の見直しについてはこちら
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